症例ギャラリーGallery
牛浜ペットクリニックで、実際に施術した症例の一部をご紹介します。
※血液や手術等の写真が苦手な方は閲覧をご遠慮ください。
ウサギの子宮腫瘤摘出
ウサギの子宮から発生した大きな腫瘤を摘出しました。
ウサギの子宮腫瘤摘出
症例情報
ホーランド・ロップイヤー(約2.5kg)、5歳、雌
症状
血尿、後ろ足をひきずる
検査
血液検査において特筆する異常は認められなかった
レントゲン検査および腹部超音波検査において腹腔内に巨大腫瘤を認めた
尿検査において潜血反応はわずかであった
- 腹腔内に巨大な占拠性病変を確認
- 超音波検査でも巨大な腫瘤を確認
診断
子宮内膜症および子宮由来腫瘍性疾患の疑い
陰部からの出血は子宮由来と考える
治療
開腹による脾臓摘出を実施
- 開腹して腫瘤を露出
- 腫瘤の一部が腸管と癒着している
- 子宮と血管を結紮
- 摘出した子宮および腫瘤
獣医師のコメント
高齢の避妊手術をしていない雌のウサギでは、子宮のがんの発生率が80%以上というデータがあります。ウサギなどの小動物は麻酔のリスクが犬猫と比較して高めではありますが、若い頃の避妊手術をしておくことで子宮の病気は予防できます。この症例は病理検査の結果「子宮腺癌」の診断が下されました。
今回の症例は血液検査で大きな異常がありませんでしたが、子宮のがんになると重度の貧血を引き起こし、最悪死に至る場合もあります。
後ろ足を引きずるという症状は子宮の病気では一般的ではありませんが、明らかな外傷や骨に異常が認められなかったため、子宮のがんが神経へ転移している可能性が考えられました。
※ドクターコメントで使用している情報や画像等は全て飼い主様からのご了承を得て掲載しています。