猫ちゃんの肥大型心筋症による大動脈血栓症

こんにちは、獣医師の石井渉貴です。
 
今回は、高齢のねこちゃんに起こり得る心臓病についてお話しします。
 
《肥大型心筋症による大動脈血栓症》
 
このご病気は、心臓の壁が厚くなり心臓の内部で血液が動きづらくなり、その部分で出来た血の塊〈血栓〉が何かの拍子に大動脈を流れ股の下の細くなった血管に詰まってしまうご病気です。
 
症状としては、いきなり後ろ足が動かなくなり冷たくなる、脚を引きづり痛がっているなど突発的に出ることが多いものです。
 
今回、診させていただいた猫ちゃんに関しても、その日突然後ろ足が動かなくなり来院され緊急処置をしましたが、その後足が壊死してしまった為断脚をしています。
また、オペ後血栓を防ぐお薬を飲んでいましたが再発し最終的には両方の脚を断脚する形となってしまいました。
 
しかし、その後お薬をしっかり飲んで今ではほかの猫ちゃんと変わらず元気にご飯を食べ前足を器用に使って走り回っています。
 
ねこちゃんの肥大型心筋症は非常に多く、なんとなく元気がなかったり時には健康診断で見つかる事もあるようなご病気です。
元気だから大丈夫ではなく、早期発見が大事なご病気ですのでおうちの大切なご家族の一員として健康なうちからの健康診断をお勧めします。
 
また、猫ちゃんに限らず心臓のご病気は咳が出る、疲れやすいなど分かりやすい症状も多いですが、症状が分かりづらい場合もありますのでもし何かいつもと違う様子があれば当院にお気軽にご連絡頂ければと思います。